モバイルWiFiルーターの通信速度は「1Mbps」なので遅い、などと人から聞き、申込みを躊躇している人もいるかもしれません。
実はこの1Mbpsとは、特定のモバイルWiFiサービスにおける、速度制限時の最大速度となります。
本記事では具体的に1Mbpsで利用できるサービスや、速度制限の条件について詳しく解説します。
また、速度制限を受けにくいモバイルWiFiについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
モバイルWiFiルーターで速度制限を受けると1Mbpsになる場合がある!
モバイルWiFiのサービスを提供している事業者は数多くありますが、その中でも「速度制限」を受けた場合に、通信速度が1Mbpsになるケースがあります。
利用者が多く、知名度の高いモバイルWiFiサービスに、「WiMAX」と「ポケットWiFi(ワイモバイル)」がありますが、どちらのサービスも速度制限を受けた場合に、通信速度が1Mbpsに制限されてしまうのです。
速度制限とは何か?
速度制限とは、一定の期間内に定められたデータ量を超過して使用した場合に受ける、通信速度の制限であり、つまりはペナルティです。
なぜ速度制限を受けるのかということですが、WiMAXの回線元であるUQ WiMAXでは、「ネットワーク混雑の回避目的のため」と伝えています。(※参考:WiMAX2+サービス ネットワーク混雑回避のための速度制限について
実はネットワークの容量には限りがあり、誰かが膨大な量の通信をおこなうと、他のユーザーが快適にインターネットを使えない、という状況が起きてしまうのです。
これを回避するために速度制限があります。
速度制限を受ける条件については、モバイルWiFiの事業者によって異なりますが、少なくとも5G(第5世代移動通信システム)を除く、現在のインターネットサービスにおいて、絶対に速度制限を受けずに利用できる、というサービスは、モバイルWiFi・固定回線(光回線など)ともにありません。
1Mbpsとはそもそもどんなもの?1MBとの違いについて
「1Mbps」と聞いてもなんのことかピンと来ない人も多いと思います。
また、1MBとの違いがわからないという人も多いのではないでしょうか?
まず知っておいてほしいのが「bps(ビーピーエス)」であり、これは1秒間に転送できるデータ量の単位を意味します。
そして次に「MB(メガバイト)」ですが、こちらはデータ容量そのものを表す単位です。
データ容量の単位には次のものがあります。
単位 |
情報量 |
b(ビット) |
最小単位 |
B(バイト) |
1B=8b |
KB(キロバイト) |
1KB=1000B |
MB(メガバイト) |
1MB=1000KB |
GB(ギガバイト) |
1GB=1000MB |
つまり1Mbpsとは「1秒間に1MBのデータを送受信する」ことを意味します。
1Mbpsでできること!サービスごとに解説!
1Mbpsの速度ではどんなことができるのか、普段使用する頻度の高いサービスを基準に解説します。
|
判定 |
LINE(メッセージ) |
○ |
LINE(ビデオ通話) |
○ |
|
○ |
|
○ |
YouTube(標準画質) |
○ |
YouTube(高画質) |
× |
オンラインゲーム |
△ |
地図アプリ |
○ |
Web閲覧 |
○ |
大抵のサービスについては1Mbpsの速度が出ていれば利用することができます。
YouTubeに関してはシステム要件を見てみると、最低でも「500kbps以上」の速度が必要ということがわかります。
ただし、これは動画解像度「SD 480p」の標準画質レベルまでとなり、高解像度となる高画質動画の視聴には向きません。
またオンラインゲームに関してはプレイするゲームの種類によります。
ゲームジャンルのひとつであるFPSで、遅延なく、より安定した動作を望む場合は、1Mbpsでは厳しいでしょう。
WiMAXとポケットWiFiの速度制限を解説!
この項目ではWiMAXとポケットWiFi(ワイモバイル)の速度制限において、最大通信速度が1Mbpsとなる条件について解説します。
WiMAXの速度制限
モバイルWiFiで最も知名度の高いUQコミュニケーションズのWiMAXでは、「使用したデータ量の合計が3日間で10GBを超えた場合」に速度制限が発生します。
もう少し詳しく解説します。
引用:WiMAX2+サービス ネットワーク混雑回避のための速度制限について|UQ WiMAX
上の画像はUQ WiMAXの公式ページで説明されているものですが、直近3日間のデータ量の合計が10GBを超えた場合に、その翌日の18時~翌2時までの8時間の間、最大通信速度が1Mbps前後に制限されるという条件です。
例えば、2月4日深夜12時10分に、10GBのデータ量を超過した場合は、2月5日の18時~2月6日の深夜2時までの8時間、速度制限を受けるということになります。
ポケットWiFiの速度制限
次にワイモバイルのポケットWiFiの速度制限の条件について解説します。
基本的な条件についてはWiMAXと同じですが、ポケットWiFiの場合、制限を受ける時間が僅かに短いのが特徴です。
直近3日間で使用したデータ量の合計が10GBを超えた場合に、「超過した当日18時~翌日25時までの7時間」、最大通信速度が1Mbps前後となります。
WiMAXと異なる点は、超過した「当日から」ということと、制限される時間は「7時間」となることです。
10GBの目安について
ここまでの説明で気になるのは「3日で10GBの目安」ではないでしょうか?
YouTube動画の画質別で判断すると次のようになります。
引用:WiMAX2+サービス ネットワーク混雑回避のための速度制限について|UQ WiMAX
超高画質なら約7時間、標準画質なら約47時間視聴可能です。
もし速度制限を受けて最大速度が1Mbpsとなった場合でも、標準画質での動画視聴が可能なことを考えると、3日間で10GBでも困ることはないでしょう。
また、KDDI広報部の公式Twitterアカウントでツイートされていますが、10GBというのは、Webサイトの閲覧なら約66,000ページ、メール送受信なら約200,000通可能ということです。
10GBでできること(目安)
— kddipr (@kddipr) April 18, 2016
ニュースサイト等の閲覧(1P/150KB)→約66,000ページ
メール送受信(1通/500KB)→ 約200,000通
ネット動画閲覧(512kbps程度の中画質で、1分/4MB)→ 約40時間の再生https://t.co/s56AAOJGOc
最初3日で10GBと聞いて、もの足りなく感じた人もいるかもしれませんが、意外とできることは多いのです。
速度制限を受けにくいクラウドSIMもオススメ!
「無制限」で使用できると謳っているモバイルWiFiは数多くあります。
しかし、WiMAXやポケットWiFiでは3日で10GBといった制限が設けられています。
現在様々なモバイルWiFiが登場していますが、実は絶対に速度制限を受けることはない、というサービスは存在しません。
例えば一日に数10GBのファイルをアップロードするなど、極端にネットワークを専有する使い方をすれば、プロバイダ側で最大通信速度を制限されてしまうのです。
しかし、近年3日で10GB、もしくはひと月に使用できるデータ量に制限のない「レンタルWiFi」のサービスが登場しました。
その中でも、CMなどで耳にしたことがある人も多いと思いますが、複数の回線を使用でき、利用できるエリアの広いクラウドSIMに対応した、「どんなときもWiFi」はオススメです。
どんなときもWiFiにおいても、” 不正利用・ネットワーク占有レベルの大容量通信をされた場合のみ、制限がかかる場合があります。” と公式ページあるように、極端な使い方をした場合は速度制限の対象となります。(引用:無制限の使い放題とありますが本当に制限はかからないんですか?
しかし、これまでのWiMAXやポケットWiFi(ワイモバイル)のように、厳しい速度制限のルールがないのがメリットです。
どんなときもWiFiの、速度制限を受けた場合の通信速度については、公式ページに明記されていません。
しかし、普段のネットサーフィンや動画視聴で、最大通信速度が1Mbpsとなることはまずないと考えください。
まとめ
モバイルWiFiにおいて、1Mbpsとは何のことなのかわかならかった人でも、今回の記事を読んで、WiMAXとポケットWiFi(ワイモバイル)の速度制限時の最大速度だ、ということがわかってもらえたと思います。
また、意外と1Mbpsで利用できるサービスは多い、ということに驚いたのではないでしょうか?
それでも、できる限り制限のないモバイルWiFiを利用したいという方は、レンタルWiFiも検討してみてください。